Toshima K House （豊島K邸）
ぐるぐる・はうす
外には堅く閉じた、白い箱！
敷地は都心の住宅地。
決して のどかで穏やかな住環境とは言いがたい立地。
そのため、周囲の喧騒に対し、外は堅く閉じ、そのかわりに、内に開放的な、一間半四方の中庭をはめ込みました。
限られた箱状の住まいにおいて、中庭は様々な楽しい効果をもたらし、きっと生活を豊かにしてくれることでしょう。
外観のイメージは"白い箱"。
凹凸のないシンプルな総2階建てで、コストパフォーマンスにも優れた形態です。
箱の前には、駐車場にシンボル・ツリーを配し、街並みにも緑の潤いを与え、それは通りを行き交う人々の視線を引きつけ アイストップとなります。
昼と一転して、夜の帳が下りる頃には、白い箱に穿たれた開口から光が溢れだし、その明かりは家族に「お帰りなさい」とやさしく語りかけ、温かく出迎えてくれることでしょう。
内はできるだけオープンに！
建物全体を、中庭を内包する大きなの空間ととらえ、そのあちこちにそれぞれの居場所や機能が設えられている、そんな家づくりを考えました。
中庭には充分開放し、内に景色を取り込み、また"間"と"間"は必要に応じてクローズもしますが、プライバシーの許す限り、引戸を用いるなどして、ゆるやかにつながるよう工夫しました。
そうすることで、家族の気配がなんとなく感じとれ、いつの間にかコミュニケーションが図れている・・・そんな住まいを意図しました。
中庭の様々な楽しい効果！
光・・・日中は、太陽の光を落としこんで下階の部屋を明るくします。
朝から夕暮れまで様々な光が入り、時の移ろいを感じるでしょう。
夜は、中庭に組み込んだ照明により 間接的な光を演出。
中庭全体が照明装置と化した、異なる景色を楽しむことができます。
緑・・・夏には木陰を作り、秋には紅葉し、冬には落葉して日が差しこみ、春には新緑が芽生え、そんな四季折々の美しい表情に、自然を身近に感じることでしょう。
内にいながらにして外にいるような、そんな気持ちにさせてくれます。
風・・・風が良く通る家は、文句なしに心地よいです。
家族の気配・・・中庭ごしに、部屋の明かりがついたり消えたり、またその中で動いている家族の像が見えたりするのは、なんとなく楽しい気分にさせてくれるもの。
家族の気配が自然に感じとれます。
回遊性・・・中庭をぐるりと回るプランニング。いつも同じところを通る退屈な動線でなく、行き止まりのない回遊性は、生活を便利にするばかりでなく、きっと楽しいはずです。
おそらくそのことに真っ先に気付くのは子供たちで、家全体が格好の遊び場になることでしょう。
玄関扉を開くと、目に飛び込んでくるのは中庭の樹木の緑。
その樹木を中心に、子供たちが"ぐるぐる"と走り回り遊んでいる。
そして、その光景を愛しむように、大人たちが見守っている。
小さいながらも家族の生活を陰で支えてくれ、これからの時間を共に歩んでいけるような、そんな住まいになってくれればと思っています。
